2014年10月26日

ネコにアロマオイルは危険!


人間の、特に女性に大人気のアロマテラピー。アロマオイルを焚いたり、スプレーにしたり様々な方法で楽しみますが、実はこの行為、あなたのネコを危険に晒しているかもしれませんよ?

匂いもごまかせて、身体にも良さそうなのに…


オシャレな雑貨屋さんには必ずと言って良いほど、アロマオイルを焚く器具やオイルが置いてあるアロマオイル関連用品。それだけ一般的に浸透したと言うことなのでしょう。良い匂いが部屋中に充満して一見、臭い消しとして、ネコのウンチ臭やオシッコ臭を緩和するのに良さそうなので、利用しているネコ飼いさんも多いと思います。ところが、このアロマオイル、実はネコには有害なのです!

アロマオイルがネコには有害な理由、それは肉食だから


意外と知られていないのですが、ネコは「完全肉食」の生き物。生きていく上で野菜などの植物は必要ありません。それどころか、ネコは植物を分解する能力を持ち合わせていません。分解できない物質が体内に入ってきて、中毒を起こすのでとても危険なのです。

僕達猫は、特に脂溶性の化学物質を解毒する際に必要な肝臓 第2相の酵素である、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼが 完全ではありません。 僕達は遠い昔から肉を主食としてきたので、植物の成分を代謝 解毒する機構が必要でなかったからかもしれません。 そのため、他の動物にとってはなんでもない薬や化学物質でも 僕達には毒になる場合がたくさんあります。 特にエッセンシャルオイルは、植物の成分を人工的に濃縮した 恐ろしい化学物質です。〜「猫から飼い主への手紙」日本アニマルアロマテラピー協会

つまり、アロマオイル・エッセンシャルオイルを分解することができず、毒素として体内に残留することで健康被害を受けてしまうのです。人間より身体の小さいネコの致死量は、人間が考える以上に微量です。特にアロマオイルは、植物を人工的に抽出して、凝縮したもの。ほんのちょっとの量でもネコにはタバコ並みの有害物質となります。

ネコがいるところではアロマは焚かないで!


アロマオイルの中でも、特にネコに有害なのが、パイン系、シトラス系、ミント系の精油と言われています。アロマオイル売り上げランキングで大抵上位に入ってくるラベンダーとティーツリーですが、この2つもとても危険です。特にティーツリーは爽やかな芳香が部屋を浄化してくれるので、継続的に使用しやすい人気の精油です。気体となって部屋中に長いこと滞留するので、ずっと部屋にいるネコは、逃げ場もなく精油の気体を吸い続けることになります。すると徐々に毒素として体内に蓄積し、ネコの健康を害します。

ブームに乗ったアロマ入りネコ用品には要注意


気体ですら危ないのに、直接、肌に触れさせるなんてもっての外であることは、もう察しが付くと思いますが、世の中にはこんな商品が出ているのですよ…。

Nature+Aid ネイチャーエイド・シャンプー

このペット用シャンプー、ティーツリー、オレンジ、ユーカリ、ペパーミントが配合されているそうです。ネコには危険な精油のオンパレード。(苦笑)HPには「天然素材でペットも人にも優しくエコ」とか「ペットのストレスを軽減」とか色々書いてあります。よーく見ると「犬用」であることを示唆する文章がチラホラ散見され、ちゃんと読むと「あ、犬用なんだな」と分かります。が、パッケージにはネコらしき動物のイラストもあり、「ペット用」という言葉から「ネコでも大丈夫なのかな?」と思ってしまいます。実際、レビューを見ると「ウチのネコに使ってます」とかネコに使っている例が…。
そりゃ、知らない人がコレを見たら、企業が市販している商品なのだし安全だろうと思ってしまうのも仕方のないことです。

ま、そもそもウチネコにしていれば滅多なことがない限りシャンプーする必要すらありませんが。

シャンプー以外にも猫砂に配合されている商品などがあり、こういう商品をネコに使わないように、買うときは配合成分をチェックするようにすることをおすすめします。

アロマブームの影に、謎の死を遂げたネコがたくさんいます


「そんな大げさなこと言わなくったって大丈夫だよ!人間に害がないんだし、天然の物だし、犬だってアロママッサージをやるのだから!」と主張する方がいますが、残念ながら間違いです。天然のものを「凝縮」している時点で「人工」ですし、犬は猫と違って「雑食」なので消化酵素を持っています。

ネコはアロマを分解する酵素を持っていないのです。

最近「ウチの子、最近あまり元気がないな」と思っていたら、容態が急変して死んでしまった、という症例が多いそうです。人間の無知による犠牲となってしまったネコたちは少なくないのではないか、と思うのです。

蚊取り線香やお香も、実はヤバイ?


何気なく使っている蚊取り線香ですが、これもモノによってはネコにはあまりヨロシクありません。蚊取り線香は、合成物ではなく除虫菊100%の天然ものであれば安心と言われています。除虫菊の成分はピレトリンですが、人間・犬・猫はピレトリンを分解する酵素を持っているとされているからです。

蚊取り線香を密室で使用する人はいないと思いますが、密室でも使用する可能性の高いお香も、精油と同じ理由でネコには有害になり得ます。お香を焚くときは、同時に換気するようにしましょう。