先日、知人がスマホを観ながらニヤニヤしていました。何を観ているのか聞いてみたところ、スマホを見せてくれました。そこには白い猫が動画で写っていました。
「これ、Webカムなんですよ。」
外出中でも家の様子がライブで分かるWebカムは非常に便利なガジェットですが、気になったのが、猫がケージ越しに写っていたこと。丁度、上の写真のようなケージです。
「え!猫をケージに入れて飼ってるの!?」とカルチャー・ギャップを受けてしまいました。
ケージって、必要?
聞けば、つい最近ペットショップから猫を買ってきたばかり。猫を飼うのは初めてなので店員さんに相談したところ、留守の間はケージに入れておくよう奨められ、猫と一緒に購入したのだそうです。
「ケージに入れておかないと壁ひっかいたり、粗相したり、悪さをするの?」
「いや、そういう訳でもないんですけど、心配なんで…。でも帰宅して遊ぶときは出してるんですよ。」
「寝る時は?」
「ケージで寝かせてます。」
「じゃあケージから出てるのって、土日とか家に人がいる時だけでほとんどケージの中にいるの?」
「そうですねぇ。」
ここから先、「えー!なんで!?」を無限ループする会話に突入するのですが(苦笑)、猫は自由にさせるのが一番と思い込んでいる私には衝撃的な猫との付き合い方をされている方でした。
ところがネットを調べてみると、こうやって普段はケージに入れている人が結構いることに、また軽く衝撃を受けました。理由は様々なようです。
- 壁をひっかかれたくない。
- 糞尿をされるので困るから。
- 一時的に猫を避難させたい。
- 自由に歩き回らせると危険だから。
キャットシェルターにいる猫たちは大抵がこういうケージに入れられています。これは「喧嘩しないように」するためです。あるいは猫エイズなどに感染しているような猫と接触させないようにするため、ケージに入れられています。
特にノラ猫は、知らない猫同士が対峙すると大抵が喧嘩をします。テレビに出てくる、猫がたくさんいる島、愛媛の青島や宮城の田代島のように「一見」大勢の猫が仲良く暮らしていたり、猫カフェの猫のようにおとなしいイメージが先攻し「猫は群れで暮らすもの。群れでも平気な生き物。」と勘違いされている方がとても多いような気がします。
猫は犬と違って、群れを作りません。
では何故、青島や田代島の猫たちは平気で暮らせるのか。それは餌の心配をする必要が少ないからです。島民の方々は上の写真のように餌付けしていますし、漁師さんから魚のおこぼれを貰えたりします。それに猟りも干潮時の浅瀬に取り残された魚を取ったり、比較的、住環境が良いのです。
もう一つの理由は、顔見知りだからではないでしょうか。陸続きで絶えず知らない大人の猫がやって来るような環境では、こういう共存関係は産まれにくいでしょう。仔猫は沢山産まれますが、仔猫のときから一緒にいるので慣れるのです。
先日のエントリーに書いた猫専用シェアハウスに対して、懐疑的なのは、こういう理由もあるからです。
閑話休題。多頭飼いしている人がケージに入れて飼育するのであれば合点も行くのですが、1匹や仲の良い2〜3匹といった少数の場合にケージで飼育することに、違和感を感じるのです。
小さい頃から狭い環境で育てられた猫は、そのままでもストレスを感じないとは良く言われることですが、元々は外で暮らしていた生き物です。そりゃ外に出られる方が良いに決まっています。ただ、外に出すと様々な問題が起きるので完全室内飼いが推奨されていますが、ならば最低限、部屋の中くらいは自由に動き廻らせてあげたい、というのが私の考えです。
ケージに入れて育てられているペットショップでの光景、ペットショップの店員さんが言うことを「プロが言うことなのだから」と信頼し大事にケージの中で育てる…。または「住んでいる賃貸がペット不可だから、汚されたくない」というような「人間の都合」によるケージ生活…。
一生をケージの中に閉じ込める訳ではなく、あくまで「一時的に」ケージで飼育をするのだとは思うのですが、あまり深く考えずにアニマルシェルターやペットショップの環境をマネして、また人間の都合で、多くの時間をケージで過ごさせることが、果たして猫にとって良いことなのかどうか、このエントリーが再考するきっかけになってくれると嬉しいです。