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2013年11月4日

猫アレルギー持ちは猫を飼っちゃいけないの?

 

インターネットのお悩み相談に、こんな投稿がありました。「私は猫アレルギーですが、譲渡会で猫を見ていたら可愛くて、どうしても飼いたくなりました。猫アレルギーを持ってる人は猫を飼ってはダメですか?」
今日は、猫アレルギーのメカニズム、アレルギー持ちの人が猫を飼うにはどうすれば良いか、を考察してみたいと思います。

猫アレルギーとは?


アレルギーは、人間の免疫反応が過剰に働くことにより起こります。体内に異物が侵入し、「外敵が入ってきた!」と身体が思い、なんとか体内から排除しようとする生理現象です。だから鼻水がズルズル出たり、涙がシバシバ出たりする訳です。

が、アレルギーが起こる原因は解明されていません。

身体が何故、花粉などの異物を「敵だ!」と判断するかどうか、が解明されていないのです。

なので結論から言うと、猫アレルギーを治す薬や方法は現存しません。

猫アレルギーのメカニズムが明らかになってきた?



今年、2013年7月、ケンブリッジ大学の研究者たちが米専門誌「ジャーナル・オブ・イミュノロジー」に、猫アレルギーはどのように誘発されるのか?という論文を発表しました。

猫の鱗屑(りんせつ、皮膚や毛からはがれ落ちた角質)に含まれるタンパク質が、バクテリアと接触することでアレルギーを誘発している可能性がある、とのこと。このタンパク質、猫の唾液に含まれています。


猫の毛は思いのほか大量に落ちます。唾液のついた毛が抜け落ち、バクテリアと接触し、それが吸い込んだ人間の体内でアレルギーを引き起こす、という流れが想定されます。

鼻水に涙…どんな症状が出るのか?


猫アレルギー持ちが猫のいる場所に来ると実に悲惨です。我が家に遊びに来た人の実話です。その方は、1時間もすると水のような鼻水と涙がズルズルと止まらなくなり、眼を真っ赤に腫らせてしまい、しきりに恐縮しながらたまらず帰られました。その方は自身が猫アレルギーであることを知らず、ウチに来て初めて症状が出たため、最初はなんのことやらサッパリ分からずでしたが、ハタから見ていて気の毒になる位はっきりと症状が表れて行きました。1時間ほどで帰宅されたので、それ以上の症状は出ませんでしたが、人によっては呼吸困難になったり、喘息発作を起こしたり、人命に関わるような症状が出ることもあります。

猫アレルギーの主な症状

  • 眼:充血、痒み、涙、腫れ
  • 鼻:くしゃみ、鼻水、痒み
  • 皮膚:痒み、発疹
  • 喉:咳、痛み、呼吸困難


花粉症と似てますね。こういった症状がダブル、トリプルで起こるので、それがどれだけシンドイか、花粉症持ちの人なら理解してもらえると思います。

猫アレルギー持ちが猫を飼うなら


個人的には、猫を飼う前にアレルギー反応が表れるかどうか、猫がいるお宅へお邪魔してみて試してみたり、医療機関でアレルギーテストを受けることを強くお勧めします。そしてもし不運にも猫アレルギーだった場合は、猫を飼うことは諦めることをお勧めします。

飼ってから猫アレルギーが発覚し、その症状に耐えきれなくなった人は、その子をまた里子に出すか、処分するかしか方法がなくなる可能性が高いからです。

「それでもどうしても飼いたい!」と言う場合、極力、アレルギーの原因物質=アレルゲンを取り込まない生活をおくるしかありません。それは恐らくこういう生活です。

  • こまめに身体を洗う。(猫も人間も)
  • こまめにブラッシングする。
  • こまめに毛布、布団、服などを洗濯する。
  • こまめに掃除する。
  • 猫を触ったらすぐに手洗い、うがい。
  • フケが出にくくなる食事をさせる。
  • 猫が立ち入ることができない部屋を作る。

こうやって書き出すと健康的な生活がおくれそうですが。(笑)
まぁ、大変です。

猫アレルギーでも飼いやすいスフィンクス




スフィンクスという毛のない猫類がいます。毛がないので、アレルギーを引き起こす可能性は格段に少なくなります。「どうしても猫を飼いたい!」という人は、スフィンクスを飼うのも一択です。しかしアレルゲンは「鱗屑」なので、スフィンクスでも絶対にアレルギーを起こさない訳ではなく、あくまでも可能性が低いというだけでしかありません。

個人的にはペットショップで買うより、ノラ猫と一緒に住んで欲しいと言うのが本音なのですけどね。

症状の度合いは人それぞれ


猫アレルギーでも、猫を飼っているいる人は実は一杯いらっしゃいます。私の知り合いにも数名います。なぜなら比較的症状が軽いからです。そして上に挙げた数々の自衛策を実践して、問題なく暮らしています。但し、原因が分かっていないアレルギー反応の度合いは、軽くなることも重くなることもあり、やはり手放しでお勧めするのは抵抗を感じます。アレルギーの研究が進んで、治療法が分かる日が一日も早く来る事を願う大家です。

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